裁量労働制との違い・メリット・注意点
裁量労働制とはどう違うの?
「裁量労働制」は、高度プロフェッショナル制度とよく比較される制度です。どちらも「労働時間ではなく成果で評価する」という共通点があり、柔軟な働き方ができる仕組みとして知られています。
ただ、実際には違いも多くあります。まず、高プロ制度は対象となる職種がかなり限定されていて、金融商品の開発やディーリング、アナリスト、コンサルタント、研究開発など限られた分野が中心です。さらに、年収1075万円以上という条件も必要になります。
一方で裁量労働制は、「専門業務型」と「企画業務型」に分かれていて、対象職種の幅が広く、年収条件もありません。また、高プロ制度では原則として残業代や休日手当が支払われませんが、裁量労働制では深夜労働や休日労働に対して割増賃金が支払われます。つまり、裁量労働制は労働基準法の枠内で運用される制度、という違いがありますね。
高プロ制度のメリットって何?
高プロ制度の大きな特徴は、やはり自由度の高さです。労働時間の制限がないため、始業や終業の時間を自分で調整しやすくなります。その分、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなる人もいます。
また、評価が成果ベースになるので、「長く働くこと」ではなく「どれだけ価値を出せたか」が重視されます。その結果、効率よく働こうという意識が高まり、生産性向上につながる可能性もあります。特に専門性の高い仕事では、「何時間やったか」より「何を生み出したか」が重要になりますよね。そうした働き方と相性がいい制度と言えそうです。
自由な分、気をつけたいポイントは?
ただ、自由度が高いからこそ注意したい点もあります。労働時間の上限がないことで、「気づいたらかなり長時間働いていた」「仕事とプライベートの切り替えがうまくいかない」といったことも起こりやすくなります。柔軟に働けるはずが、結果的に過労につながってしまっては本末転倒ですよね。
それから企業側にも課題があります。成果で評価する仕組みになる分、これまで以上に明確で納得感のある評価基準が求められます。評価があいまいだと、不満やモチベーション低下につながる可能性もあります。そのため、高プロ制度を導入する場合は、従業員の同意を得るだけでなく、労使委員会で議論したり、健康管理体制を整えたりすることが欠かせません。「自由=放任」ではない点は意識しておきたいところです。
実際どれくらい使われているの?
実際のところ、高度プロフェッショナル制度はまだそれほど広く普及しているとは言えません。制度開始初年度の届出件数は4件で、対象労働者も321人にとどまっています。
内訳を見ると、その多くがコンサルタントで、研究開発職などはかなり少数です。この背景には、「そもそも対象要件が厳しい」という点に加えて、「長時間労働を助長するのではないか」といった懸念が根強いことも影響していると考えられます。制度としては存在しているものの、実際の活用はこれから、という段階と言えそうですね。


